Addiction(依存症)から脱却するには?
モノに溢れ、情報に呑まれる今の社会。
欲しいと思うものは、贅沢をしなければ大抵のものは手に入れられる時代です。
情報過多、故に競争社会。
人はその荒波に抗えながら、ストレスを蓄積していきます。
そうすると、自分を癒すために何かに頼る、「依存」する機会が昔に比べて非常に多くなったように思います。
特にスマホでは、電車の中や移動時間、時には歩きながらでもTwitterやLine、YouTubeの新着状況を気にかけて、休む間も無く画面を眺め続けている人を多く見かけます。
一度何かに「依存」してしまうと、そこから抜け出すことは非常に難しくなる。
タバコ、酒、パチンコ、ネット、ゲーム...言い出せばきりがないですね。
人間にとっての嗜好品は快楽を与える反面、中毒にもなり得る。
言わばバランスを取ることが難しい存在です。
そんな今の社会から、「依存」からどう付き合っていけばいいのかを考えて見ましょう。
依存症の弊害
そもそも依存症とは何か、まとめて見ました。
依存症は、ある事柄が自分ではどうにも止められなくなってしまい、そのことで社会生活に支障をきたしてしまうこころの病気のこと
自分で制限をすればなんとか解決できるものとは違い、依存症は自分で制御ができなくなるだけでなく日常生活にも悪影響を及ぼしてしまう病気です。
また岩崎メンタルクリニック院長の精神科医、岩井正人さんは依存症についてこう語っています。
「依存症はあくまでも病気ですから、本人がやめたいと思っていても意志ではどうにもならないんです。社会の偏見・無理解が問題の解決をより困難にしている側面があります」
(引用 https://www.tokyo-jinken.or.jp/publication/tj_48_feature2.html)
依存症になった人の苦しいポイントは、
社会的な理解が薄く、病気ではなく「本人の甘え」と認識されてしまう
ということ。
ストレス社会から逃れるために行き着いたのがアルコールや薬物などの依存症に繋がっているので、特にストレスや責任のかかる芸能界ではそう言った薬物疑惑の報道をされる機会は多いですよね。
依存症に関する問題は決して個人の管理能力だけでなく、社会全体の課題でもあるという認識を忘れてはいけません。
依存症か否かの前に、「悪い習慣」を見つめること
とはいえ、まだ依存症にかかっていない人で未然に中毒のレベルに行くことを抑える方法もあります。
「何かに依存しすぎない」
「弱い自分を作らない」
そんな一般論を言ったところで、人は簡単に依存から解決することはできません。
大切なのは、
あなたが依存症かどうかを議論するのではなく、「依存症」とはどういうことかを考察すること
「依存症」を見つめる際に、自分の「悪い習慣」をまずは見直す必要があります。
その内容を具体的にあげると、
・依存するとどう言った気持ちになるのか
・どれくらいの頻度で依存するのか
・依存するときの自分の行動はどう変化するか
と言った具合です。
研究から「依存症」と向き合う
ブラウン大学のBrewer教授は「タバコ依存症」に対する研究を論文で提唱しています。
今回はそちらの研究を踏まえて考察して行きましょう。
禁煙を目標とするタバコ依存症の人を対象とした研究です。
喫煙者に
・「タバコをやめなさい」と強制的にタバコの喫煙を禁止したグループ
・「タバコを吸ってもいいよ」と制限をかけないグループ
の二つのグループを用意しました。
そうすると、結果として「タバコ吸ってもいい」グループの方がタバコを吸う人が圧倒的に減り、禁煙を強制するグループの2倍以上の効果を生みました。
なんとも意外な結果ですよね。
その理由は「タバコ吸っていい」グループには一つの約束をしていました。
それは、
「タバコを吸っているときにどんな気分になったかを紙に書き留めておく」ことです。
つまり、自分の感情を一歩引いて「観察する」ことで欲求の波を抑えることができる。
無理に欲求を押さえ込んでしまうとその反動で脳が活性化し、
「もっと欲しい」と興奮が収まらない状態になってしまうんです。
まとめ
依存症になってしまう大きな原因の一つは「欲求不満」にあります。
その欲求を無理に制限すると、返ってもっと悪い状況になってしまいかねません。
ですので、「依存症にならないために自分で欲求を抑える」ことをする前に、
「欲求を観察すること」。
ついタバコやスマホに手を出してしまう自分に気づいたら一度立ち止まって、
「タバコ・スマホを構う自分が何を感じているのか」を観察してみる。
そうすることで自分の欲求が小さくなっていくのを感じることができるはずです。
簡単には治すことができないのが「依存症」の恐ろしい点です。
まずは自分の行動を復習することから、ミニマルスタートをして行きましょう。